要点
- ヒアルロン酸は入れた日から満たされ、コラーゲンを育てる注入は数か月かけて立ち上がるため、予定が先に決まっている場合は持続期間より先に選択肢が絞られます。
- ボリュームの出どころ: 一方は入れたゲルが水を抱えてそのまま体積になり、もう一方は材料の周りに新しくできたコラーゲンが体積になります。
- 時間の曲線: 48週の試験では第4週はヒアルロン酸が優勢で、第36週以降はコラーゲンを育てる側が優勢でした。
- 確認したいリスク: しこりの報告はコラーゲンを育てる側に多く、希釈量と注入の深さを記録に残すほうが安心です。
鏡を見ると頬の上のほうが少し減って見え、こめかみの影も以前より目立ちます。相談してみようと調べ始めると、当日からふくらむものと、数か月かけて自分の組織が育つものが並んで出てきます。
長く持つほうに気持ちが向いても、施術当日はほとんど変わらないという説明で迷います。すぐ変わるほうは、通う回数が増えるという話が負担に見えます。どちらがよいかと尋ねても、状況によりますという答えが返ってきます。
本記事では、二つの注入でボリュームが生まれる道筋の違いと、48週の比較試験が第4週と第36週に記録した内容、そして診察で最初に決めることを順に整理します。
本記事は STON Clinic の基準で施術情報を整理したものです。効果や反応には個人差があり、施術が適しているかどうかは皮膚科専門医と相談して決めていただくのが安心です。
二つの注入はボリュームの出方からして違います
二つの注入はボリュームの出方からして違います
同じものの二つの銘柄ではありません。体積が生まれる道筋そのものが違い、その後の実務的な判断はほぼすべてこの差から出てきます。
2020年の皮膚科学術誌の実験研究は、ヒアルロン酸を細胞外マトリックスに元からある成分として示し、皮膚の水分量を高め、線維芽細胞の増殖を促し、I型コラーゲンの発現を活性化すると記録しています。入れたゲルが水を抱え、その水がそのまま体積になります。
同じ研究はポリ乳酸を別の言葉で説明しています。生体適合性と生分解性をもつ合成高分子で、コラーゲン合成を促して体積を段階的に回復させ、微粒子が分解される過程の炎症反応が線維性結合組織と新生コラーゲン*の形成を促すと記録しています。著者はもう一文を添えています。この結果は製品そのものの作用ではなく、その過程に対する体の反応であるという一文です。
新生コラーゲン: 皮膚が自分で新しく作るコラーゲンです。くぼみを満たすのは入れた材料ではなく、その周りに体が作った組織です。
ここから待ち時間の理由が見えてきます。体積が自分のコラーゲンであれば、それは体の速さで現れます。ですから診察で最初に役に立つ問いは、どちらが強いかではなく、いつどんな状態でいたいかになります。
二つの注入はボリュームの出方からして違います
48週の比較試験は第4週と第36週に何を記録しましたか
48週の比較試験は第4週と第36週に何を記録しましたか
現時点で最も明確な直接比較は、2026年に美容外科の学術誌へ掲載された多施設の無作為化二重盲検試験です。中国の8施設で252名が参加し、中等度から重度の鼻唇溝に対してポリ乳酸マイクロスフィアとヒアルロン酸を比較しています。
第48週の有効矯正率はポリ乳酸が92.4%、ヒアルロン酸が59.3%と記録されました。差は33.1ポイントです。
ただし見ておきたいのはその手前です。同じ試験は、第4週は即時効果を反映してヒアルロン酸が良好であり、第36週以降はポリ乳酸が良好であったと記録しています。あわせて、ポリ乳酸は初期により頻回の施術を必要とし、ヒアルロン酸はおおむね少ない回数で矯正に至ったとも記しています。有害事象はどちらも軽度で一時的でした。
結論はどちらかに軍配を上げていません。現行のプロトコルではヒアルロン酸が速い改善をもたらし、ポリ乳酸は初期に複数回を要するものの48週までより持続的な矯正をもたらし、安全性は同程度であり、選択は患者が何を優先するかに応じて個別化されるべきであると記録しています。
コラーゲンを育てる側は一つの材料ではありません。22件の臨床研究をまとめた2026年の総説は、ポリ乳酸、ポリDL乳酸、ポリカプロラクトン、ハイドロキシアパタイトカルシウムを生体刺激型として扱い、ポリカプロラクトンは最長24か月続く新生コラーゲン形成を誘導すると記録しています。
二つを並べると次のようになります。
| 項目 | ヒアルロン酸 | コラーゲンを育てる注入 |
|---|---|---|
| 体積の出どころ | ゲルが水を抱える | 自分の新生コラーゲン |
| 変化が見える時期 | 施術当日から | 数週から数か月 |
| 初期の試験結果 | 第4週で優勢 | 初期は劣勢 |
| 後期の試験結果 | 48週で59.3% | 48週で92.4% |
| 初期の回数 | おおむね少ない | 初期は頻回 |
| 戻しやすさ | 分解酵素という手がある | 溶かす手はない |
最後の行は実際の判断で小さくありません。形が気に入らないときに次の一手がある場合と、時間が和らげるのを待つ場合では、最初の診察で引き受ける範囲が変わります。
リスクと副作用:しこりは材料より手技で変わります
リスクと副作用:しこりは材料より手技で変わります
2026年の総説は有害事象をおおむね軽度で一時的と記録しています。一方でしこりの形成はポリ乳酸で最も目立ち、報告は4.7%から28.6%の幅と記しています。
幅が六倍あること自体が結論です。変わるのは材料ではなく、それをどう扱ったかです。
40件の研究をまとめた2026年のスコーピングレビューは、しこりの形成が希釈の手順、注入の手技、溶解の方法、注入の深さと関連して見えたと記録し、四つの臨床表現型を示し、超音波と高周波超音波を有用な診断の補助として挙げています。そして有効な対応は予防から始まるようだと結んでいます。
同じレビューは、初期には凍結乾燥粉末を2から3ミリリットルの滅菌水だけで溶解しており、それが高いしこり発生率と関連していたとも記しています。希釈量は技術的な細部ではなく、選ぶ対象の一部だとお考えください。
リスクと副作用:しこりは材料より手技で変わります
なぜ STON Clinic では持続期間より先に予定を合わせるのでしょうか
なぜ STON Clinic では持続期間より先に予定を合わせるのでしょうか
最初にお聞きするのは、どのくらい持たせたいかではありません。いつ、どの場で、どんな状態でいたいかです。
理由は試験のデータそのものにあります。第36週から優勢になる選択肢は、4週後の撮影には届きません。その予定で勧めても、記録された利点はご自身の期間内に現れません。逆に一年後を気にされる方へ短い間隔を組めば、通院回数だけが増えます。
次に、すでに顔に入っているものを確認します。いつ、どこに、どれだけ入れたか、溶かしたことがあるか、しこりを触れたことがあるかを一緒に書き出してください。深い層に残っていれば、同じ場所へ足す判断が変わります。
そして希釈量と注入の深さを記録に残し、次回そのまま参照します。結果と反応には個人差がありますので、実際の計画は診察で一緒に決めましょう。
まとめ — 受診前に整えておきたいもの
まとめ — 受診前に整えておきたいもの
まずは注入歴です。時期、部位、材料、溶解の有無、しこりや境目の透けの有無を日付とともに控えてください。記憶が曖昧なときは領収書や予約履歴が助けになります。
次に一年先までの予定です。撮影、行事、出張など、変化の途中でいたくない日を書き出しておきましょう。判断の多くはこの一枚で決まります。
最後に今日の写真です。室内の光で正面と左右、少し見上げた角度を一枚ずつ残してください。頬とこめかみの影は光の向きで大きく変わりますので、基準の写真がないと変化を見比べられません。
注入した部位の急な強い痛み、皮膚が白くなる変化、視界の異変があるときは、美容相談ではなく当日の受診をお願いします。
読んで気になることがあれば
相談を書く参考文献
- 皮膚の水分量を高め、線維芽細胞の増殖を促し、I型コラーゲンの発現を活性化する — PubMed Central
- ポリ乳酸が92.4%、ヒアルロン酸が59.3% — PubMed Central
- ポリカプロラクトンは最長24か月続く新生コラーゲン形成を誘導する — PubMed Central
- しこりの形成が希釈の手順、注入の手技、溶解の方法、注入の深さと関連して見えた — PubMed Central
よくあるご質問
Q. コラーゲンを育てる注入は結果が見えるまでどのくらいかかりますか
A. 記録の単位は週です。2026年の多施設比較試験は、第4週は即時効果でヒアルロン酸が良好であり、第36週以降はポリ乳酸が良好であったと記しています。同じ試験はポリ乳酸が初期により頻回の施術を要したとも記録しています。個人差があり実際の期間は異なる場合がありますので、回数の設計は診察で決めます。
Q. 二つを同じ部位に併用してもよいのでしょうか
A. 併用の設計はありますが、同じ日に同じ場所へ重ねるかどうかは臨床判断になります。2026年の総説はしこりの形成がポリ乳酸で最も目立ち、報告が4.7%から28.6%の幅であったと記録しています。深い層に材料が残っていれば量も深さも変わりますので、先に注入歴を確認します。
Q. 気に入らない場合、コラーゲンを育てる注入は溶かせますか
A. ヒアルロン酸と同じ形では溶かせません。2026年のスコーピングレビューは、経過観察、しこり内へのステロイド、フルオロウラシル、抗菌薬、免疫療法、手術などを対応として挙げ、有効な対応は予防から始まるようだと結んでいます。ですから最初に希釈量と深さを記録に残します。
Q. 持続が長いほうを選べば結果として得になりますか
A. そのようには結論づけられていません。2026年の試験は、ヒアルロン酸が速い改善をもたらし、ポリ乳酸は初期に複数回を要するものの48週までより持続的な矯正をもたらし、安全性は同程度で、選択は優先するものに応じて個別化されるべきであると記録しています。予定と戻せる余地を並べて考えるほうが現実的です。
医療情報に関するご案内
この記事は一般的な医療情報を提供するものであり、個別の診断や診療に代わるものではありません。 編集方針を見る

キム・ジャンジュ 首席院長
JANGJU KIM
キム・ジャンジュ医師は、明洞ロッテホテルのストーンクリニックの院長です。
経歴・学歴
- 현) 스톤클리닉 명동 롯데호텔 원장
- 경희대학교 의과대학 졸업
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