要点
- 深いボックスカー型の跡は、深さ、ふちの形、底の状態、下から引っぱる線維の束を先に見てから治療を選びます。
- 埋まりにくい理由: 炎症で真皮のコラーゲンが失われて底が沈み、ふちが垂直だと表面を整えるだけでは深さが減りにくいです。
- 治療の役割: 浅くなだらかな部分はレーザー、細く深い穴はTCA CROSS、引きつれた部分はサブシジョンが受け持つように分けます。
- 一回で終わらせるのではなく、段階を分けて何回かかけて深さとふちをやわらげることが目標です。
深いボックスカー型のニキビ跡は、機器の名前より先に、なぜへこんだのかを見ることで治療が選べます。ニキビは落ち着いたのに、ほおにふちのはっきりした穴が残り、メイクで隠しても横からの光では影ができるという方が多いです。レーザーを何回か受けたのに、いちばん深いところは変わらないという声もよく聞きます。
この記事では、ふちが垂直に落ちるボックスカー型の跡をどんな基準で分けるのか、フラクショナルレーザー・TCA CROSS・サブシジョンがそれぞれどこを受け持つのか、治療の前に何を確認しておくといいのかを整理します。
深いボックスカー型の跡は、なぜ自然に埋まらないのですか
深いボックスカー型の跡は、なぜ自然に埋まらないのですか
ニキビの炎症が深く長く続くと、真皮のコラーゲンが減ってその部分が下に沈みます。こうしてできたへこんだ跡はニキビ跡のなかでいちばん多いタイプで、自然に完全に消えることはまれです。時間がたつと赤や茶色の色は薄くなりますが、へこみの深さは残りやすいです。
ボックスカー型の跡は丸いか角ばった形で、ふちがはっきりしていて、底は比較的平らです。ふちが垂直に落ちるほど、光が斜めに当たったときに影ができて、実際より深く見えます。表面をなめらかにする治療だけでは、この壁の高さがあまり下がらないのはそのためです。
もう一つ見ておきたいのが、跡の下にある線維の束です。底が下の組織にしっかりくっついていると、上からいくらコラーゲンを増やそうとしても、底は下に引っぱられ続けます。そのため、深い跡ほど「どのくらい深いか」と同時に「何が引きとめているか」を先に分けて考えます。
真皮:表皮の下でコラーゲンと弾性線維が皮膚の厚みと張りをつくっている層です。
あなたの跡はボックスカー型、アイスピック型、ローリング型のどれですか
あなたの跡はボックスカー型、アイスピック型、ローリング型のどれですか
へこんだ跡は、形によって大きく三つに分かれます。一つの顔にいくつかの形がまざっていることが多いので、跡ごとに分けて見ることが出発点です。
| 跡の形 | 見た目の特徴 | 先に考える治療 |
|---|---|---|
| ボックスカー型(浅い) | ふちがなだらかで広い | フラクショナルレーザーなどの表面の再生 |
| ボックスカー型(深い) | ふちが垂直、底が平ら | いくつかの治療を段階的に組み合わせ |
| アイスピック型 | 入口が細く、V字に深い | TCA CROSSなどの点の治療 |
| ローリング型 | 広くなだらか、のばすと平らになる | サブシジョンで線維をゆるめる |
ご自宅で目安をつけるなら、跡の両わきの皮膚を指で軽く広げてみてください。広げたときに跡がほぼ平らになるなら、下から引っぱる力の割合が大きいです。広げても壁が残るなら、深さとふちの問題が大きいと考えられます。アイスピック型はニキビ跡の60〜70%を占めるいちばん多い形とされているので、ボックスカー型とまざっていないかもあわせて見ます。実際の判断は、診察で光と角度を変えながら行います。
あなたの跡はボックスカー型、アイスピック型、ローリング型のどれですか
跡の形によって合う治療が違うのはなぜですか
跡の形によって合う治療が違うのはなぜですか
治療によって、手が届く場所が違います。フラクショナルレーザーは皮膚にごく細い柱のような小さな傷を細かく入れ、治る過程で新しいコラーゲンがつくられるようにするもので、跡のまわりの高低差を整えるために使います。サブシジョンは細い針や器具で、跡の底を引っぱる線維の束を皮膚の中で切り、皮膚がもう一度持ち上がる余地をつくります。
サブシジョン:跡の下の線維の束を皮膚の中で切り、沈んだ底をゆるめる施術です。
TCA CROSSは、濃度の高い酸を跡の底にだけ点のようにのせて、その部分のコラーゲンの再生をうながす方法です。ピーリングと同じ酸でも、顔全体に塗るのではなく跡の中だけに使うため、濃度はずっと高くなります。文献レビューでは、CROSSには50%以上の濃度を使い、肌の色が濃い方は50〜70%に下げることがすすめられていました。
跡の形によって合う治療が違うのはなぜですか
この濃度は複数の研究で使われた範囲をまとめたもので、そのまま個人に当てはめる数字ではありません。同じレビューは、TCA CROSSはアイスピック型と深いボックスカー型によく合い、ローリング型には反応が弱いとまとめています。治療後の色素沈着は肌の色が濃いほど多く、ふつうは3〜6か月のあいだに日焼け止めとあわせて薄くなったとされています。
STONクリニックは深いボックスカー型の跡をこう考えます
STONクリニックは深いボックスカー型の跡をこう考えます
STONクリニックは深いボックスカー型の跡を見るとき、深さ、ふちの形、跡の底の状態、線維性の癒着があるかどうか、まわりの皮膚の厚みと弾力を先に評価します。浅くふちがなだらかな跡はフラクショナルCO2レーザーやほかの皮膚再生の機器で対応でき、深くふちが垂直な跡はいくつかの治療を組み合わせます。皮膚をのばしても平らにならずにくっついている跡はサブシジョンを考え、直径が小さく深い跡はTCA CROSSを考えます。広く底が平らな跡は、ふちが広がったり色素沈着が出たりすることがあるので、TCA CROSSが合わないことがあります。
そのため、一回で終わらせるより段階的な組み合わせ治療を選ぶことが多いです。まずサブシジョンで底をゆるめ、フラクショナルCO2レーザーとほかの皮膚再生の機器でふちをやわらげる流れです。とても深い跡はパンチエレベーションを考えることがあります。皮膚の厚み、炎症後の色素沈着の出やすさ、ケロイドの既往、今もニキビができているかどうかもあわせて見ます。アジア人の肌は強い剥離系レーザーやTCA CROSSのあとに色素沈着のリスクがあり、パンチの手術は縫った跡が残ることがあります。大切なのは、跡がへこんだ原因を見分けることです。
当治療は自由診療(保険適用外)です。費用は範囲と回数により異なります。施術後は赤み、むくみ、かさぶたが出ることがあり、ふつうは数日から十日ほどで落ち着きます。次の症状があるときは様子を見ずに、施術を受けたクリニックへ連絡してください。
- 施術した部分がだんだん腫れて熱をもち、うみが出ます
- 痛みが弱まらず、日ごとに強くなります
- かさぶたが取れたあと、その部分がかえって広がったり、かたく盛り上がったりします
今も新しいニキビができているなら、先に炎症を落ち着かせてから跡の計画を立てるほうがいいです。カウンセリングでは「私の跡は深さと癒着のどちらが大きな問題ですか?」から聞くと、計画を理解しやすくなります。お問い合わせの際は、跡ができた時期と今もニキビができるかどうか、気になる跡を横からの光で撮った写真をあわせてお送りください。
読んで気になることがあれば
相談を書く参考文献
- ニキビ跡の種類と治療 — DermNet, 2023 — DermNet NZ
- へこんだニキビ跡の治療 — American Academy of Dermatology — American Academy of Dermatology
- 萎縮性ニキビ跡に対するTCA治療の文献レビュー — Journal of Cosmetic Dermatology, 2026 — PubMed Central
よくあるご質問
Q. 深いボックスカー型の跡も、レーザーだけで良くなりますか?
A. 浅くふちがなだらかな跡はレーザーで対応できますが、深くふちが垂直な跡は、レーザーだけでは深さがあまり減らないことが多いです。そのため、底をゆるめる治療とふちを整える治療を段階に分けて組み合わせます。どの組み合わせが合うかは、跡ごとに診察で決めます。
Q. 跡がくっついているかどうかは、どうすればわかりますか?
A. 跡の両わきの皮膚を指で軽く広げたとき、跡が平らにならず底が引っぱられたままなら、下の線維の束が引きとめている可能性が高いです。このような跡は、まずサブシジョンで底をゆるめることを考えます。正確な判断は、診察で角度と光を変えながら行います。
Q. TCA CROSSはどんなへこんだ跡にも使えますか?
A. いいえ。直径が小さく深い跡に考える方法です。広く底が平らな跡に使うと、ふちが広がったり色素沈着が出たりすることがあり、合わないことがあります。文献レビューでも、ローリング型の跡には反応が弱いとまとめています。
Q. 何回くらい受ける必要がありますか?
A. 跡の深さや形、まざっている跡の種類によって違うので、決まった回数はありません。深い跡は一回で終わらせるのではなく、何回かかけて深さとふちをやわらげることを目標にします。段階ごとに回復を見て、次の治療を決めます。
Q. 治療後に色素沈着が出たらどうなりますか?
A. アジア人の肌は、強い剥離系レーザーやTCA CROSSのあとに色素沈着が出ることがあります。文献レビューでは、多くは3〜6か月のあいだに日焼け止めと美白のケアで薄くなったとされています。もともとニキビのあとの色が長く残りやすい方は、カウンセリングで先にお伝えください。
Q. まだニキビができていても、跡の治療を始められますか?
A. 活動性のニキビがあるなら、その炎症を先に治すほうがいいです。新しい炎症が続くと新しい跡ができることがあり、治療した部分の回復にも影響することがあります。ニキビの状態を跡といっしょに見て、始める時期を決めます。
Q. パンチエレベーションはどんな跡に行いますか?
A. とても深い跡に考える方法です。跡の底を小さな円形に切りはなして、まわりの皮膚の高さまで持ち上げるやり方なので、縫った跡が残ることがある点もあわせてお話しします。ケロイドの既往がある方は、必ず先にお伝えください。
Q. 赤や茶色のあとも、ニキビ跡ですか?
A. 平らで色だけが残ったあとは、へこんだ跡ではなく、炎症後の色素沈着や赤みであることが多いです。色は時間とともに薄くなりやすいですが、本当のへこみは残ります。指でさわって高低差があるかどうかが、見分ける第一歩です。
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この記事は一般的な医療情報を提供するものであり、個別の診断や診療に代わるものではありません。 編集方針を見る

キム・ジャンジュ 首席院長
JANGJU KIM
キム・ジャンジュ医師は、明洞ロッテホテルのストーンクリニックの院長です。
経歴・学歴
- 현) 스톤클리닉 명동 롯데호텔 원장
- 경희대학교 의과대학 졸업
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