脂肪溶解注射のしこりと腫れ、何日で引く?すぐ連絡すべき症状を解説

脂肪溶解注射のしこりと腫れ、何日で引く?すぐ連絡すべき症状を解説

キム・ジャンジュ約8分編集方針

要点

  • 脂肪溶解注射のあとの腫れ・内出血・硬いしこりの多くは治る過程の反応で、しこりは1か月近く残ることがあります。
  • 目安の期間: あごの下の注射では、中央値で内出血9日、腫れ10日、小さなしこり23日、硬さ28日でした。
  • 硬さが30日を超えて続いた人は13%で、回数を重ねるほど腫れや内出血は軽くなる傾向がありました。
  • すぐ連絡: 熱っぽさや痛みが強くなる、膿が出る、皮膚がただれる・黒や白に変わる、数週間後に痛むしこりが新しく出る場合です。

脂肪溶解注射のあとの内出血と腫れは10日前後、触れて分かる硬いしこりは3〜4週間ほど続くことがあります。あごの下にデオキシコール酸を注射した515人では、内出血が中央値9日、腫れが10日、硬さが28日続きました。ただし、日ごとに痛みや赤みが強くなる場合や、数週間たって新しいしこりが出てきた場合は、様子を見ずに連絡してください。

注射の翌日のほうが腫れている理由

注射の翌日のほうが腫れている理由注射の翌日のほうが腫れている理由

翌日のほうが腫れて重だるく感じるのは、よくある反応です。デオキシコール酸は脂肪細胞の膜を壊し、そのあとに起こる炎症反応で脂肪が少しずつ取り除かれます。腫れや熱っぽさ、押したときの痛みは、この炎症とともに出てきます。

デオキシコール酸は、もともと体内で脂肪の消化に使われている成分です。注射薬としては、米国でKybellaという名前で承認されていますが、対象はあごの下の脂肪に限られています。

日本では未承認の医薬品です。国内で同じ効能・効果で承認された医薬品は、2026年10月時点で確認できていません。米国ではあごの下の脂肪に対して承認されており、主な副作用は腫れ、内出血、痛み、しびれ、赤み、硬さです。未承認の医薬品は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。使用にあたっては医師の診察が必要です。

承認のもとになった米国の臨床試験2件では、87%に腫れ、72%に内出血、70%に痛みが出ました。偽薬を注射したグループでも、内出血が70%、腫れが43%、痛みが32%に見られました。針が脂肪の層を何度も通ること自体で、内出血や腫れはある程度起こります。血液をさらさらにする薬を飲んでいる方は、内出血が広がる場合があります。

注射の翌日のほうが腫れている理由注射の翌日のほうが腫れている理由

硬いしこりが引くまでの期間

硬いしこりが引くまでの期間硬いしこりが引くまでの期間

目安は3〜4週間です。しこりや硬さは、腫れよりも長く残る傾向があります。あごの下の臨床試験をまとめた分析では、23%に硬さが出て中央値28日、13%に小さなしこりが出て中央値23日続きました。内出血と腫れは、10日前後で引いています。

硬いしこりが引くまでの期間硬いしこりが引くまでの期間

1か月を超える方もいます。30日以上続いた反応は、しびれ42%、腫れ20%、痛み16%、硬さ13%でした。2週目にしこりが残っていても、それだけで異常とは言えません。少しずつ小さくなっているか、押したときの痛みが軽くなっているかを確認しましょう。

体の部位についての資料は多くありません。下腹部に注射した14人を比較グループなしで観察した小規模な報告では、腫れが平均9.6日、内出血が7日、赤みが2日続きました。1回あたりの量は平均26.6mLで、あごの下で承認されている上限の10mLより多くなっています。量が多いほど赤みが長引きましたが、腫れの期間との関係は確認されませんでした。あごの下では、回数を重ねるごとに腫れ・内出血・痛みの頻度と程度が下がっています。個人差はありますが、多くは時間とともに落ち着く反応です。

様子を見てよいしこりと連絡すべきしこり

様子を見てよいしこりと連絡すべきしこり様子を見てよいしこりと連絡すべきしこり

しこりがあるだけでは、異常とは限りません。出てきた時期、触ったときの感じ、その後の変化で分けると判断しやすくなります。

区分多くは引いていくしこり連絡が必要なしこり
出る時期注射後数日以内2〜4週間後に新しく出る
触った感じ硬く、押すと重だるい赤く熱をもち、日ごとに痛む
その後3〜4週間で小さくなる大きくなる、数が増える
一緒に出る症状内出血、しびれ膿、浸出液、かさぶた、ただれ

右の列に一つでも当てはまれば、日数を数えて待つ必要はありません。次のような変化があれば、注射を受けたクリニックへすぐにご連絡ください。

  • 赤みの範囲が広がり、熱っぽさと痛みが日ごとに強くなっています
  • しこりから膿や浸出液が出ています
  • 注射から2〜4週間後に、赤く痛むしこりがいくつも新しく出ています
  • 注射した部分の皮膚がただれたり、黒く変わったりしています
  • 直径3cmを超えるかたまりがある、または数か月たっても小さくなりません

注射部位の感染が蜂窩織炎や膿瘍に広がり、点滴の抗菌薬や切開が必要になった例も報告されています。美容目的の注射後に非結核性抗酸菌の感染が見つかった28人の中国の報告では、10人が脂肪溶解注射のあとで、症状が出るまで平均3週間かかっていました。この菌は結核菌の仲間ですが結核は起こさず、汚染された注射から皮膚に入ることがあります。

薬が誤って血管に入り、血管が傷ついた例も報告されています。血管が詰まったときのサインは、FDAがヒアルロン酸などのフィラー向けにまとめた一覧を目安にします。注射した部分の近くの皮膚が白・灰色・青っぽく変わる場合や、いつもと違う痛みがある場合は、すぐに受診してください。見え方の異常や視力の低下、突然話しにくくなる、顔や手足がしびれる・力が入らない、歩きにくい、顔がゆがむ、激しい頭痛、めまい、意識の混乱といった脳卒中のサインがある場合は、最寄りの救急外来を受診してください。

顔の輪郭や体に打った注射の場合

顔の輪郭や体に打った注射の場合顔の輪郭や体に打った注射の場合

同じ期間とは限りません。ここまでの数字は、ほとんどがデオキシコール酸だけをあごの下に注射した場合のもので、米国で承認されている部位もあごの下だけです。米国の添付文書には、あご以外に使ったあとで、目の周りでかすみ目や視力低下が起きた例、しこりやかたまりがなかなか引かなかった例も載っています。

ほかの成分が入った注射では、腫れやしこりが続く期間もこの数字と違う可能性があります。注射した日付と部位、薬の名前を把握しておくと、今の反応が想定の範囲かどうかを比べやすくなります。

ご相談の前に準備したい日付と写真

ご相談の前に準備したい日付と写真ご相談の前に準備したい日付と写真

まず、注射から何日たったかを数えてみましょう。10日前後までの腫れと内出血、1か月ほどまでの硬さは想定の範囲です。その時期を過ぎている場合や、反応が小さくならずに大きくなっている場合は、確認が必要です。

当治療は自由診療(保険適用外)で、費用は部位や量により異なります。韓国・ソウルの STON Clinic にご相談の際は、注射した日付、部位、薬の名前と、毎日同じ距離から撮った写真を添えてください。しこりが出た日、熱っぽさや膿があるか、血液をさらさらにする薬を飲んでいるかもあわせてお知らせください。同じ明るさで正面と横から1枚ずつ、しこりの横に指先を添えて撮ると、大きさの変化を比べやすくなります。次の回が近い方は、前回のしこりがいつ引いたかもお伝えください。

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参考文献

  1. デオキシコール酸注射の米国添付文書(副作用と注意点)— 米国FDA・DailyMed、2026
  2. あごの下の臨床試験を回数ごとにまとめた分析 — Aesthet Surg J、2018 — PubMed Central
  3. 下腹部に注射した14人の小規模研究 — Dermatol Surg、2021 — PubMed Central
  4. 美容注射後の非結核性抗酸菌感染28例 — Infect Drug Resist、2025 — PubMed Central
  5. デオキシコール酸注射の作用・副作用・ケア — DermNet — DermNet NZ
  6. 注射後に血管が詰まったときのサイン — 米国FDA — U.S. Food and Drug Administration

よくあるご質問

Q. 内出血や腫れを和らげるために、自宅でできることはありますか?

A. 冷やすこと、軽い圧迫、市販の痛み止めが、注射後の内出血や痛みを和らげる方法として案内されています。熱っぽさが引かずに強くなっていく場合は、冷やしてしのごうとせず、クリニックにご連絡ください。

Q. 注射した部分のしびれが1か月以上続いています。大丈夫ですか?

A. あごの下の臨床試験では、しびれは66%に出て中央値43日続き、30日を超えた人も42%いました。ただし、しびれと一緒に赤みが広がる、熱をもつ、膿が出るといった変化がある場合は、別の問題として早めにご連絡ください。

Q. あごの下に打ったあと、笑うと片側の口角が上がりにくいです。戻りますか?

A. あごの下の顔の神経が傷ついて笑顔が左右非対称になる例は臨床試験で4%にあり、すべて1〜298日(中央値44日)で自然に回復しました。それでも医師が直接確認すべき症状なので、写真を撮ってお知らせください。飲み込みにくさがある場合もあわせてお伝えください。

Q. 血液をさらさらにする薬を飲んでいても、脂肪溶解注射を受けられますか?

A. 抗血小板薬や抗凝固薬を飲んでいると、注射部位の出血や内出血が大きくなる場合があり、米国の添付文書でも慎重に使うよう求めています。治療前に薬の名前と飲んでいる理由をお伝えください。自己判断で薬をやめることはお控えください。

Q. しこりが完全に引いてから次の注射を受けるべきですか?

A. 注射の間隔は1か月以上あけ、合計6回までが目安です。米国の添付文書では、しこり、かたまり、感染、ただれが出た場合は次の注射を中止するよう書かれています。しこりが残っている場合は、次の予約の前に大きさと硬さを確認してもらいましょう。

Q. 2回目も1回目と同じくらい腫れますか?

A. あごの下の臨床試験をまとめた分析では、1回目のあとから回を重ねるごとに、腫れ・痛み・内出血の頻度と程度が下がっていました。残っている脂肪が減り、注射量も少なくなったためと考えられています。1回目の回復の様子をもとに予定を組むと、余裕をもてます。

Q. 何回目くらいから変化が分かりますか?

A. あごの下の臨床試験では、多くの方が2〜4回のうちに1段階以上の改善を示し、評価は最後の注射から12週間後に行われました。腫れやしこりが残っている間は変化が分かりにくいため、落ち着いてから写真を比べましょう。変化の出方には個人差があります。

Q. 妊娠中や授乳中でも受けられますか?

A. 妊婦を対象にした十分な研究はなく、母乳に移行するかどうかも分かっていません。妊娠中、妊娠を予定している方、授乳中の方は、治療前にお知らせください。

キム・ジャンジュ

キム・ジャンジュ 首席院長

JANGJU KIM

キム・ジャンジュ医師は、明洞ロッテホテルのストーンクリニックの院長です。

経歴・学歴

  • 현) 스톤클리닉 명동 롯데호텔 원장
  • 경희대학교 의과대학 졸업
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