要点
- エラボトックスの変化は打った当日ではなく数週間かけて表れ、打ち直す時期は決まった月数よりもフェイスラインの戻り具合で考えます。
- 時期: 研究をまとめたレビューでは、一回打ったあとの効果のピークは三か月ごろ、持続は六〜十二か月でした。
- かむ力と形は別々に戻ります: ある研究では、かむ力は六か月ごろに打つ前と差がなくなり、見た目の変化はそれより長く続くと著者は考えています。
- 短い間隔で頻繁に打つのは避けたほうがよいです。
エラボトックスを打ち直す時期は、カレンダーよりもフェイスラインで考えます。はじめて打って数か月たつと、鏡を見てエラがまた張ってきた気がして「もう切れたのかな」と心配になる方が多いです。何か月ごとに打てばいいのか、頻繁に打っても問題はないのかも、よくいただく質問です。
この記事では、エラボトックスが体の中でどんな順番で効いて切れていくのか、効果が続くのはいつごろまでか、次に打つ時期の目安をどう考えるかを整理します。
エラボトックスはどんな順番で効いて、切れていくのでしょうか
エラボトックスはどんな順番で効いて、切れていくのでしょうか
ボトックスは、神経の先から筋肉へ合図を伝える物質が出ないようにします。合図を受け取れない筋肉は、縮む力が弱くなります。筋肉の力が抜ける感覚はふつう打ってから2〜4日で始まり、10日ごろにもっともはっきりします。エラのボリュームの変化はそれより遅れてついてきます。ボトックスは筋肉を直接溶かしたり切り取ったりする注射ではありません。筋肉を使わない時間が積み重なって、はじめてボリュームが小さくなります。
時間がたつと、神経は新しい枝を伸ばして筋肉とふたたびつながります。このつながりが戻るまでには三か月ほどかかるとまとめられています。つながりが戻ると筋肉をまた使うようになり、使わないあいだに小さくなっていたボリュームも少しずつ戻ります。
咬筋(こうきん):耳の前からあごの角まで続く、食べ物をかむときに使う筋肉です。この筋肉が厚いと、エラが張って見えます。
エラボトックスはどんな順番で効いて、切れていくのでしょうか
効果は何か月ほど続き、いつ切れたと感じるのでしょうか
効果は何か月ほど続き、いつ切れたと感じるのでしょうか
咬筋へのボトックスの研究をまとめたレビューでは、一回打ったあと三か月ごろに効果のピークがあり、六〜十二か月続くとまとめています。幅が広いのは、注入量や筋肉の厚さ、研究の対象がそれぞれ違ったからです。適切な量も、まだひとつには決まっていません。
効果は何か月ほど続き、いつ切れたと感じるのでしょうか
かむ力と形は、同じ速さで戻るわけではありません。左右の咬筋に25単位ずつ打った20人を、打っていない12人と比べた一年間の研究では、かむ力は三か月ではっきり下がり、六か月には打つ前と差がなくなりました。見た目の変化はそれより長く続く可能性があると著者は付け加えています。ただし、ひとつの製品を一回打った場合だけを見た結果です。
| 打ったあとの時期 | おもに感じる変化 | このとき見ること |
|---|---|---|
| 2〜4日 | かむときに力が入りにくい | かたい物をかむときに疲れるか |
| 数週間〜3か月 | フェイスラインが少しずつすっきり | 同じ角度で撮った写真との比較 |
| 3〜6か月 | かむ力が戻り始める | 歯をかみしめたときに筋肉がまた盛り上がるか |
| 6〜12か月 | ボリュームが少しずつ戻る | 最初の写真とのフェイスラインの比較 |
表の時期は、上のレビューと研究、作用時間のまとめを合わせておおまかに分けたものです。かむ力は数日で弱まりますが、フェイスラインは筋肉を使わずにボリュームが減ったぶんしか変わらないので、数週間かかります。打って一、二週間でフェイスラインが変わらないからといって、効果がないと判断するにはまだ早い時期です。逆に、かむ力が先に戻っても、フェイスラインはしばらく保たれることがあります。
次に打つ時期は何で判断するのでしょうか
次に打つ時期は何で判断するのでしょうか
カレンダーの日付よりも、エラがまた張って見えるかどうかで考えるのがおすすめです。歯をぐっとかみしめたときに耳の前の下あたりの筋肉がまたかたく盛り上がり、はじめて打つ前の写真とフェイスラインが近くなっていれば、効果がかなり切れてきたと考えられます。これは自分でおおよそ見当をつける方法で、実際の判断は診察で行います。
写真は、打つ前と同じ明るさ・同じ角度で、力を抜いた顔と歯をかみしめた顔の二枚を撮っておくと比べやすくなります。体重が大きく変わったときや顔がむくんでいる日は、フェイスラインも違って見えるので、そうした日の写真には印をつけておくとよいです。
短すぎる間隔は避けます。まれに体がボトックスに対する抗体をつくり、効果が弱まることが報告されています。頻繁に打つほどそのリスクが高くなるため、8〜12週より短い間隔で打たないようにすすめるまとめがあります。この数字は打ちすぎを避けるための下限で、そのたびに打つという意味ではありません。くり返し打つと筋肉が少しずつ小さくなり、次の施術までの間隔が長くなることもあります。
六か月ごとに三回打った女性6人を見た小さな研究では、三回目の注射の一年後に咬筋のボリュームが打つ前より12%小さくなっていました(26.39cm³から23.26cm³)。最初に集めた10人のうち最後まで参加したのは6人だけなので、結果を広くあてはめるのは難しいです。
STONクリニックはエラボトックスをこう考えます
STONクリニックはエラボトックスをこう考えます
STONクリニックはエラボトックスをこう考えています。エラボトックスは、かむときに使う筋肉である咬筋に伝わる神経の合図をおさえて、筋肉が縮む力を弱めます。使わなくなった筋肉は時間とともにボリュームが小さくなり、フェイスラインがすっきり見えることがあります。そのため、変化は打ってすぐではなく、数週間かけて表れることがあります。神経の合図が少しずつ戻ると筋肉もまた使われるので、効果を保つために間隔をあけて打ち直すことがあります。
当治療は自由診療(保険適用外)です。費用は注入量と回数により異なります。打った場所が腫れる・赤くなる・押すと痛む・内出血が出るといったことはよくある反応で、ふつうは数日でおさまります。次の症状が出たときは、様子を見ずにすぐご連絡ください。
- 笑ったときに口角が片方だけ上がらない、または左右で違って見えます
- 飲みこみにくい、またはろれつが回りにくくなります
- 息が苦しく感じます(この場合はまず救急外来を受診してください)
カウンセリングでは「前回打った量と日付から見て、いまの私の筋肉はどのくらい戻っていますか?」から聞くと、次の計画を理解しやすくなります。お問い合わせの際は、最後に打った日付と、はじめて打つ前の横顔の写真をあわせてお送りください。
読んで気になることがあれば
相談を書く参考文献
- 咬筋ボトックスの効果と持続期間をまとめたレビュー — Journal of Cosmetic Dermatology, 2022 — PubMed Central
- 咬筋ボトックス後にかむ力が戻る時期を調べた一年間の研究 — Journal of Oral Rehabilitation, 2023 — PubMed Central
- 六か月ごとに三回打ったあとの咬筋ボリュームの研究 — Annals of Plastic Surgery, 2019 — PubMed Central
- くり返しの注射後の咬筋の線維化の症例報告 — Journal of Cosmetic Dermatology, 2024 — PubMed Central
- ボツリヌストキシンの作用時間・抗体・副作用 — DermNet — DermNet NZ
- 美容用ボトックスの添付文書にある毒素の拡散に関する警告 — 米国食品医薬品局(DailyMed)
よくあるご質問
Q. 三か月ごろにエラがまた張って見えたら、すぐに打ってもいいですか?
A. 三か月はむしろ効果がピークを迎えるころなので、急ぐ必要はありません。研究をまとめたレビューでは、効果のピークは三か月ごろ、持続は六〜十二か月とされています。むくみが引いて違って見えることもあるので、最初の写真と同じ角度で比べてみるとよいです。
Q. 打ち続けると耐性ができて効かなくなりますか?
A. まれに体が抗体をつくって効果が弱まることが報告されています。皮膚の病気を解説するサイトDermNetは、頻繁に打つことをおもなリスクにあげ、8〜12週より短い間隔は避けるようまとめています。間隔を十分にあけることが、そのリスクを下げる方法です。
Q. くり返し打つと筋肉がかたくなると聞きましたが、本当ですか?
A. くり返しの注射のあとに咬筋の一部が線維のように変化した9人の例を、超音波で集めた報告があります。こうした部分は注射が効きにくいため、超音波で程度と位置を確かめることが提案されました。症例を集めた報告なので、どのくらい多いのかはわかりません。
Q. エラボトックスのあと、食べ物をかむのがつらくなりますか?
A. 筋肉の力が弱まるため、打って数日後から、かたい物や歯ごたえのある物をかむときに力が入りにくいと感じる方がいます。一年間の研究では、かむ力は三か月で下がり、六か月には打つ前と差がなくなりました。この期間は、歯ごたえの強すぎる食べ物を控えると楽です。
Q. 一回打っただけで、エラは小さいまま残りますか?
A. 神経のつながりが戻ると筋肉をまた使うようになり、ボリュームも少しずつ戻ります。研究をまとめたレビューでは、長く保つには何回か打つことがあるとまとめています。一回で小さくなった状態がずっと続くとは考えないほうがよいです。
Q. 妊娠中や筋肉の病気があっても打てますか?
A. 妊娠中・授乳中は避けるようまとめられていて、重症筋無力症のように筋肉が弱くなる病気がある方には打ちません。一部の抗生物質はボトックスの作用を強め、アスピリンのように血液をさらさらにする薬は内出血が大きくなるリスクを高めます。飲んでいる薬は施術の前にお知らせください。
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この記事は一般的な医療情報を提供するものであり、個別の診断や診療に代わるものではありません。 編集方針を見る

キム・ジャンジュ 首席院長
JANGJU KIM
キム・ジャンジュ医師は、明洞ロッテホテルのストーンクリニックの院長です。
経歴・学歴
- 현) 스톤클리닉 명동 롯데호텔 원장
- 경희대학교 의과대학 졸업
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