要点
- ほくろの変化がどの範囲に収まるのか、資料の数字がわかります
- 確認したほうがよい変化と様子を見てよい変化の違いがわかります
- 拡大観察が何を補うのか、判別基準の精度がわかります
- 美容目的の除去を確認のあとに置く理由がわかります
洗顔中やメイクのときに、長年あったほくろが急に目につく日があります。記憶より少し大きく見えて、縁も以前ほど丸くない気がします。数年前の写真を並べてみると、かえって判断しづらくなります。
このとき浮かぶ考えは二つに分かれます。ひとつは年齢とともにほくろも変わるという見方で、もうひとつは普通の変化ではないのではという心配です。二つは別の話ですが、初期は目で見える手がかりが重なります。
本記事では、ほくろの変化がふだんどの範囲に収まるのか、どの変化を確認したほうがよいのか、診察ではどの順番で見るのか、そして美容目的の除去を確認のあとに置く理由を順に整理します。
本記事はBeautystone Clinicの施術情報をまとめたものです。個人差があり実際の結果は異なる場合がありますので、施術を受けるかどうかは皮膚科専門医と相談して決めてください。
ほくろは変わるもので、その範囲の多くは一般的な変化です
ほくろは変わるもので、その範囲の多くは一般的な変化です
ほくろは一生同じ姿ではありません。皮膚科の資料は、白い肌のニュージーランド人の多くが色素細胞性のほくろを20個から50個もち、約1パーセントの人は生まれつき1個以上の先天性色素細胞性のほくろをもつと記載しています。同じページは、十代と若い成人でほくろの数が最も多く、その後は一部が少しずつ薄くなって減ると書き、幼少期に出たほくろは一生もっとも目立ちやすいと説明しています。
ですから見た目が違うという事実だけでは結論になりません。割合の数字も残っています。同じ資料の色素性病変の変化を扱うページは、色素細胞性のほくろは大きさや形、色が安定しているのに対し、メラノーマは時間とともに変化し、その変化は数か月から数年で現れることがあるものの、メラノーマは変化しているすべての皮膚病変のうち3パーセント未満であると記載しています。
この数字は二方向に読めます。変化の多くは心配な種類ではありませんが、その少数を見落とさないためには、肉眼で見返すだけでは足りません。そこで診察ではダーモスコピー*を併用し、色素が皮膚のなかで実際にどう並んでいるかを確認します。
ダーモスコピー: 偏光を備えた拡大器具で皮膚内部の色素の並びを観察する検査です。肉眼では分けにくい色素のパターンを分類するために使います。
ほくろは変わるもので、その範囲の多くは一般的な変化です
どの変化を確認し、どの変化は様子を見てよいのでしょうか
どの変化を確認し、どの変化は様子を見てよいのでしょうか
広く使われている項目があります。米国皮膚科学会は、左右の半分が互いに異なる非対称、不規則または扇形あるいは不明瞭な縁、ある部分と別の部分で色が異なること、通常6ミリメートルより大きいがそれより小さい場合もある直径、そしてほかのものと違って見えるか大きさ・形・色が変化していることを挙げています。同じページは、新しくできた斑点、ほかと違う斑点、変化している・かゆみがある・出血している斑点があれば、認定皮膚科医の受診を予約するよう案内しています。
変化の速さも手がかりになります。先の皮膚科資料は、良性の皮膚病変は数年から数十年にわたり安定しているか緩やかに変わる一方、結節型メラノーマは数日から数週で急速に大きくなる傾向があると記載しています。同じ資料は、メラノーマが5色から6色を含むことがあり、その半数が青や灰色といった珍しい色を含むと記録し、多くの人は自分のほくろが互いに似た特徴をもつため、一つだけ明らかに違うものが目立つと説明しています。
二つを並べると、次のように分かれます。
| 比べる項目 | 様子を見てよい | 確認したほうがよい |
|---|---|---|
| 形 | 左右が対称に近いです | 半分がもう半分と違います |
| 縁 | なめらかで境界が明瞭です | 不規則または不明瞭です |
| 色 | 全体が一色で均一です | 部分ごとに色が違います |
| 変化の速さ | 数年から数十年で緩やかです | 数日から数週で分かります |
| ほかのほくろとの比較 | ほかと似ています | 一つだけ目立ちます |
| 症状 | とくにありません | かゆみや出血があります |
この項目の限界も述べておきます。同じ資料は、これらの基準はメラノーマを見つけるうえで非常に役立つものの、すべてのメラノーマを確実に見分けるために使うことはできないと記載し、形が対称で縁が均一、色の差も大きくないメラノーマもあると書いています。
なぜBeautystone Clinicでは確認を先に置くのでしょうか
なぜBeautystone Clinicでは確認を先に置くのでしょうか
Beautystone Clinicでは、ほくろの相談は除去方法から始めません。いつから違って見えるようになったのか、比較できる以前の写真があるのか、隣のほくろと比べて一つだけ目立つのか、かゆみや出血、触ったときの硬さがあるのかを確認し、そのうえで拡大して色素の並びを見ます。
この順番にする理由は具体的です。レーザーで色素を消すと見た目は整いますが、組織が残らないため、その変化が何だったのかをあとから確かめる方法がなくなります。ですから美容目的の処置は確認のあとに置き、確認の代わりにはしません。
記録もこの場で残します。一定の距離と同じ照明で撮った写真に大きさを書き添えておくと、次回は記憶ではなく比較で判断できます。以前の写真がない場合は、その日の一枚から始めます。
検査で組織の確認が必要と判断された場合は、その方向をお伝えします。皮膚科の外来でできることと、より上位の医療機関で行うことを分けて説明するところまでが初回相談の役割です。
なぜBeautystone Clinicでは確認を先に置くのでしょうか
確認はどの順番で進み、そのあとはどうなりますか
確認はどの順番で進み、そのあとはどうなりますか
診察と拡大観察から始まります。形と縁、色の均一さを見たうえで、色素が網状に広がっているのか、粒がまとまって見えるのかという並びを確認します。先の皮膚科資料も、ダーモスコピーによって色素のパターンに基づく新しい分類が生まれたと記載しています。
この基準がどの程度当たるのかも数字になっています。2017年に発表された系統的レビューは外来で使われる判別基準24種類を検討し、ABCDダーモスコピー基準が8件の研究で統合感度0.85と統合特異度0.72、7項目ダーモスコピーチェックリストが11件の研究で統合感度0.77と統合特異度0.80を示したと記載しています。著者らは組み入れた研究の方法論的な質にばらつきがあったと述べ、プライマリケアで行われた研究は5件のみだったと記録しています。感度が完全ではないという意味ですので、一度の観察で確定せず、記録と間隔を併せて置きます。
ここから二手に分かれます。確認が必要と読める場合は組織を確かめる方向を手配し、様子を見られる範囲と読める場合は間隔を決め、同じ条件の写真で比べます。間隔は資料に記録された変化の速さを参考に決め、その間に新しい症状が出た場合は間隔を待たずに来院していただきます。
美容目的の除去はそのあとにお話しします。同じ皮膚科資料も、ほくろを切除する理由をがんの除外、刺激の軽減、美容上の希望に分けて記載し、大きさや形、構造、色が変わったほくろはとくに確認が重要だと書いています。
まとめとご来院前に整えておくとよい情報
まとめとご来院前に整えておくとよい情報
まず用意していただきたいのは時間差のある写真です。今の一枚と、見つかれば1年前や3年前の同じ部位の写真を並べると、変化の有無がはっきりします。照明と距離をできるだけ近づけると比較に使えます。
次は変化に気づいた時期と速さです。数か月なのか数年なのか、ここ数週で急に変わったのかをお知らせください。かゆみや出血、触ったときの硬さが一緒にあった場合は別に書き添えていただくと、仕分けが早くなります。
最後は背景の情報です。ご家族に皮膚がんの診断を受けた方がいるか、屋外で過ごす仕事や趣味があるか、子どものころに強い日焼けをしたことがあるかをお伝えください。新しい斑点が速く大きくなる場合、一つだけ明らかに違う場合、出血して治らない場合は、間隔を待たずに受診してください。
読んで気になることがあれば
相談を書く参考文献
- 白い肌のニュージーランド人の多くが色素細胞性のほくろを20個から50個もち、約1パーセントの人は生まれつき1個以上の先天性色素細胞性のほくろをもつ — DermNet NZ
- 色素細胞性のほくろは大きさや形、色が安定しているのに対し、メラノーマは時間とともに変化し、その変化は数か月から数年で現れることがあるものの、メラノーマは変化しているすべての皮膚病変のうち3パーセント未満である — DermNet NZ
- 左右の半分が互いに異なる非対称、不規則または扇形あるいは不明瞭な縁、ある部分と別の部分で色が異なること、通常6ミリメートルより大きいがそれより小さい場合もある直径、そしてほかのものと違って見えるか大きさ・形・色が変化していること — American Academy of Dermatology
- ABCDダーモスコピー基準が8件の研究で統合感度0.85と統合特異度0.72、7項目ダーモスコピーチェックリストが11件の研究で統合感度0.77と統合特異度0.80を示した — PubMed Central
よくあるご質問
Q. ほくろが少し大きくなった気がしたら、すぐ心配したほうがよいですか?
A. 大きくなったという事実だけでは結論になりません。皮膚科の資料は、メラノーマが変化しているすべての皮膚病変のうち3パーセント未満であると記載しています。ただしその少数を見落とさないために、肉眼で見返すより拡大観察と記録を併せるほうが確実です。変化が数か月ではなく数日から数週で起きた場合は、待たないほうがよい形です。
Q. 6ミリメートルより小さければ安心と考えてよいですか?
A. 大きさだけでは分けられません。米国皮膚科学会は、メラノーマは診断時に通常6ミリメートルより大きいがそれより小さい場合もあると記載し、新しい、ほかと違う、変化している、かゆみや出血のある斑点は6ミリメートル未満でも受診の予約をするよう案内しています。直径は複数の項目のひとつとして見るのが適切です。
Q. 拡大して見るとき、何を確認しているのですか?
A. 色素の並び方を見ています。網状に均一に広がっているのか、粒がまとまっているのかが分類の基礎になります。2017年のレビューでは、ABCDダーモスコピー基準の統合感度は0.85、特異度は0.72でした。有用でありつつ完全ではないため、記録と間隔の観察を検査と併せて行います。
Q. 美容目的でほくろを取りたいのですが、順番は大切ですか?
A. 大切です。レーザーで色素を消すと見た目は整いますが組織が残らないため、その変化が何だったのかをあとから確かめにくくなります。皮膚科の資料も、除去の理由をがんの除外、刺激の軽減、美容上の希望に分けています。確認を先に、処置をあとに置くと、どちらの道も残ります。
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この記事は一般的な医療情報を提供するものであり、個別の診断や診療に代わるものではありません。 編集方針を見る

キム・ジャンジュ 首席院長
JANGJU KIM
キム・ジャンジュ医師は、明洞ロッテホテルのストーンクリニックの院長です。
経歴・学歴
- 현) 스톤클리닉 명동 롯데호텔 원장
- 경희대학교 의과대학 졸업
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