要点
- 糸が吸収される時間と引き上げが続く時間はなぜ違うのか
- 糸を6本から12本に増やすと、研究では持続と満足度が上がるのか
- 満足度が下がりやすい条件と、カウンセリング前に確認したいこと
- 回復期によくある反応と、受診が必要になる目安
鏡の前で頬を指で軽く持ち上げて、そっと手を離してみることがあります。多くの方はその一、二秒の間に、糸リフトを初めて意識するようです。持ち上げたときのフェイスラインが気に入るほど、戻った輪郭が気になってしまいます。
口コミを読むと、感想はきれいに二つに分かれます。半年で元に戻ったという声もあれば、一年以上満足しているという声もあります。同じPDO糸を使っているのに、この差は偶然では説明できません。理由は「どのくらい持つのか」という言葉に、三つの時間軸が重なっているからです。
本記事では、その三つを分けて整理します。糸が体内に残る時間、物理的な引き上げが保たれる時間、そして輪郭の印象が続く時間です。分けて考えると、カウンセリングで何を尋ねればよいかも見えてきます。
本記事は BeautyStone クリニックの施術情報をまとめたものです。効果や回復には個人差があり、実際の経過は異なる場合がありますので、最終的な方針はカウンセリングで一緒に決めていきます。
頬が下がってきたと感じたら、まず何を確認すればよいのでしょうか
頬が下がってきたと感じたら、まず何を確認すればよいのでしょうか
PDOは外科用の縫合糸と同じ種類の素材です。体内に入ると水分に触れて加水分解が進み、少しずつ切れていきます。PDO糸とボツリヌストキシンを併用した症例報告によると、およそ四か月から六か月かけて吸収されるとされています。糸が消えていく間に、通した経路に沿って新しいコラーゲンが育っていきます。
加水分解:水によって高分子の鎖が少しずつ切れ、体に吸収されるようになる化学反応
誤解はたいていここから始まります。半年で糸が消えるなら効果もそこで終わると考える方がいます。反対に、コラーゲンが増えたのだから変化しないと考える方もいます。実際には引き上げが弱まる時期と、素材が吸収し終わる時期と、輪郭が元に近づく時期は別々に進みます。
ですから最初に尋ねたいのは「何か月持ちますか」ではありません。「何が何か月持ちますか」と聞くほうが役に立ちます。直後の引き上げなのか、肌質の変化なのか、輪郭全体の印象なのかで答えが変わります。
頬が下がってきたと感じたら、まず何を確認すればよいのでしょうか
モノ糸とコグ糸では持続期間にどのような差があるのでしょうか
モノ糸とコグ糸では持続期間にどのような差があるのでしょうか
モノ糸は表面に突起がなく、組織をつかむ力は強くありません。束ねて密に入れることが多く、肌質や引き締まりを狙う使い方になります。コグ糸には突起があり、下がった組織を実際に引き上げます。同じPDOでも目的が違うため、弱まり方も違ってきます。
| 項目 | モノ糸 | コグ糸 | 超音波・高周波機器 |
|---|---|---|---|
| 主な働き | コラーゲンの刺激 | 物理的な引き上げと刺激 | 熱による引き締めと再構築 |
| 施術直後の変化 | 目立ちにくい | その場で見えます | 少しずつ現れます |
| 弱まり方 | ゆるやか | 前半で戻りが早い | ゆるやか |
| 向いている悩み | 肌質と引き締まり | 下がった輪郭線 | 広い範囲のたるみ |
引き上げがどのくらい保たれるかを直接調べた研究があります。一方の群は糸を6本、もう一方の群は12本入れました。糸の本数を比較した顔面リフトの無作為化臨床試験では、術後20日にどちらの群も中顔面の体積が増えていました。ところが60日目には両群とも戻り、群間に意味のある差は出ていません。60日目の満足度スコアは0.58と0.30で、統計的な差は見られませんでした。
コグ糸によるほうれい線改善の前向き研究では、ほうれい線の深さが15日目の1.2ミリから六か月時点で1.8ミリに戻っていました。物理的に掛ける力は、多くの方が思うより早く緩むようです。その後は新しく作られたコラーゲンが輪郭を支える役割を引き継ぎます。口コミが食い違う理由もここにあります。最初の二か月の見た目を覚えている方と、その後に残った肌質の変化を覚えている方がいるからです。効果には個人差があり、どちらの感想も同じ施術の説明になり得ます。
BeautyStone クリニックが糸の本数より配置設計を先に見る理由
BeautyStone クリニックが糸の本数より配置設計を先に見る理由
本数が多いほど長持ちしそうに思えますが、データは逆を示しています。糸リフト後の不満に関わる要因の多施設解析では、1500例のうち術後に不満を述べた方が51例、全体の3.4%でした。不満と関連したのは年齢と糸の本数の二つだけでした。糸が一本増えるごとに不満の可能性はおよそ9%上がり、境目は10本付近にありました。年齢は一歳ごとにおよそ6%上がり、境目は43歳付近でした。性別は有意な要因ではありませんでした。
読み方はこうなります。本数を増やすほど、期待は糸が支えられる力より速く膨らんでいきます。ですからここでのカウンセリングは数字からは始めません。たるみがどこから始まり、組織をどちらへ動かせば輪郭が自然になるかを先に確認します。同じ本数でも掛ける位置と角度が違えば、引く方向も弱まり方も変わります。
もう半分の仕事は期待をそろえることです。年齢が上がるとたるみはボリュームの減少と混ざり、糸だけでは届かない部分が増えていきます。その場合は本数を足すより、少ない糸とボリュームや肌質のメニューを組み合わせるほうが負担が軽くなります。この方法でどこまでできて、どこからができないのかを先に共有しておくと、お互いに納得しやすくなります。
施術の流れと回復期にはどのようなケアが必要でしょうか
施術の流れと回復期にはどのようなケアが必要でしょうか
通常は局所麻酔のもとで行い、所要時間は糸の種類と範囲によって変わります。流れとしては設計を決め、通す経路に印をつけ、糸を入れ、最後に左右差を確認します。当日から日常に戻る方も多いのですが、腫れや内出血は数日残ることがあります。
六か月の追跡では、軽度の副作用が次の割合で報告されました。いずれも自然に落ち着き、重い問題は起きていません。
施術の流れと回復期にはどのようなケアが必要でしょうか
回復期に気をつけたいことはいくつかあります。二週間ほどは大きく口を開けたり、顔を強くこすったりしないでください。初期は片側を長時間圧迫して眠らないようにしてください。サウナや激しい運動は、腫れが引いてから予定してください。
片側だけ明らかに強く引かれる感じがする場合や、触れて分かるしこりが二週間を超えて残る場合は、自己判断せずに受診してください。早い時期であれば対応は難しくありません。発熱や赤みの広がり、痛みの増強がある場合は当日中に受診してください。
まとめとして三つの時間軸をもう一度確認しましょう
まとめとして三つの時間軸をもう一度確認しましょう
吸収の時間、引き上げの時間、輪郭の印象が残る時間は、別々の軸で進みます。吸収は四か月から六か月で終わり、物理的な引き上げは二か月ごろから弱まっていきます。その後は新しいコラーゲンが役割を引き継ぎます。
糸を増やして持続が延びたという結果は出ておらず、むしろ不満と関連していました。四十代半ばを過ぎたら、糸だけより組み合わせのほうが満足につながりやすいようです。回復期の内出血や腫れ、軽い左右差は多くが軽度で自然に落ち着きますが、二週間を超えて続くようなら確認をおすすめします。
カウンセリングで役に立つ質問は「何か月持ちますか」ではありません。「私のたるみにはどの方法が合い、何がどのくらい持ちますか」と尋ねてみてください。そこから期待と結果の距離は、目に見えて縮まっていきます。
読んで気になることがあれば
相談を書く参考文献
- PDO糸とボツリヌストキシンを併用した症例報告 — PubMed Central
- 糸の本数を比較した顔面リフトの無作為化臨床試験 — PubMed Central
- コグ糸によるほうれい線改善の前向き研究 — PubMed Central
- 糸リフト後の不満に関わる要因の多施設解析 — PubMed Central
よくあるご質問
Q. PDO糸リフトの効果はどのくらい持ちますか?
A. 吸収にはおよそ四か月から六か月かかりますが、引き上げる力はそれより早く弱まります。研究では術後二か月ごろから、増えた体積が戻り始めていました。その後は新しく作られたコラーゲンが輪郭を支える役割を引き継ぎ、個人差も大きくなります。
Q. 糸を多く入れるほど長持ちしますか?
A. そう言える根拠は、今のところ乏しいです。6本と12本を比べた試験では、二か月時点の持続も満足度も近い結果でした。1500例の解析では、本数が多いほど不満の可能性が高くなっていました。本数よりも、どこにどう掛けるかのほうが大切です。
Q. 内出血や皮膚のくぼみが出たら問題でしょうか?
A. 六か月の追跡では内出血が約25%、皮膚のくぼみと左右差が約19%で、多くは軽度のまま自然に落ち着きました。多くは数日から二週間の間に現れ、その後ゆるやかに和らいでいきます。痛みが強くなる場合や片側の引きつれが続く場合は受診してください。
Q. 糸と超音波・高周波機器はどちらを先に選べばよいですか?
A. 下がった組織を実際に引き上げたい場合は、コグ糸が向いています。広い範囲のたるみが悩みであれば、熱を使う機器のほうが合いやすいです。互いに置き換わるものではなく役割が違いますので、たるみの位置と程度を確認してから決めると安心です。
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この記事は一般的な医療情報を提供するものであり、個別の診断や診療に代わるものではありません。 編集方針を見る

キム・ジャンジュ 院長
JANGJU KIM
キム・ジャンジュ医師は、明洞ロッテホテルのストーンクリニックの院長です。
経歴・学歴
- 현) 스톤클리닉 명동 롯데호텔 원장
- 경희대학교 의과대학 졸업
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