要点
- トーニング中に顔の白い点が増えたら施術を止め、尋常性白斑や加齢による白い点と見分けます。
- 報告された割合: 肝斑でトーニングを受けた177人の分析では、10回以内に21人(11.9%)に出ています。
- 高めの出力、短い間隔、多すぎる累計回数がリスク要因とされています。
- 回復の目安: 2~3年以上残るという報告と、3~4年で80%が薄くなるという経験的な推定があります。
レーザートーニングを受けている間に頬やあごの白い点が増えてきたら、まず施術を止めて確認しましょう。低い出力のトーニングを短い間隔で何回も受けた後、米粒ほどの白い点が出た例が報告されています。続けて受けた方では点の数と大きさが増えており、一度出ると数年残ることもあるため、早く気づくことが大切です。
トーニングが原因の白い点かどうかの見分け方
トーニングが原因の白い点かどうかの見分け方
まず、いつ、どこに出たかを確認します。トーニングを受けた顔の範囲だけに、肝斑の上へ小さな白い点が散らばり、施術を続けている間に増えたなら、トーニング後の色素減少斑を最初に考えます。
色素減少斑:肌の色をつくるメラニンが減り、周りより白く見える平らな斑点です。論文では「まだら状の色素減少」「点状白斑」とも呼ばれます。
シンガポールの皮膚専門の紹介先センターは、肝斑や肌の若返り目的で1064nmのトーニングを受けた女性3人を報告しています。1人は6か月で40~50回受け、2~3か月目から白い点に気づき、回数を増やすと広がって頬で大きくつながりました。ほかの2人は毎週1年、または約2週ごとに2年受けた後、頬やあごに白い点が出ています。3人とも尋常性白斑の既往や先に出た発疹はなく、白い点にかゆみや痛みはありませんでした。
| 種類 | トーニング後の色素減少斑 | 特発性滴状色素減少症 | 尋常性白斑 |
|---|---|---|---|
| 出やすい場所 | トーニングを受けた顔、特に頬・あご | 日に当たる前腕・すね・胸元のV字部分 | 目の周り・唇・鼻の穴の周り・指先・わきなど全身 |
| 出る時期 | 何回も施術を受けている間やその後 | 年齢とともに増える | 少しずつ始まり、傷やこすれた場所にも出る |
| 見た目 | 小さな点が散らばる、またはつながる | 直径2~5mmほどの平らな白い点 | チョークや牛乳のような白さで境目がはっきり |
| 一緒に見ること | 施術の期間・間隔・回数 | 年齢、日焼けの程度 | 顔以外の白い斑、白くなった眉毛やまつ毛 |
手の甲や腕、目の周りにも白い斑があるときは、ほかの原因も一緒に考えます。特発性滴状色素減少症は年齢を重ねた肌によく見られ、体に害はありませんが、自然に色が戻ることはありません。尋常性白斑は傷ややけど、こすれた場所に新しく出ることもあるため、顔に初めて出た点だけで原因を決めることはしません。
トーニングを重ねると白い点ができる理由
トーニングを重ねると白い点ができる理由
トーニングは1064nmのQスイッチレーザーを、低い出力と広い照射径で、短い間隔をあけて何回も当てる方法です。1回の刺激は弱くても、たまったエネルギーが肌の色をつくる細胞の働きを落とすと考えられています。
メラノサイト:肌の表面の層のいちばん下でメラニンをつくり、周りの細胞へ渡す細胞です。
トーニングを重ねると白い点ができる理由
韓国の2つの大学病院が、トーニング後に白い点が出た2人の皮膚を調べたところ、白い部分にはメラニンがほとんどありませんでした。一方で、メラノサイトの数はすぐ隣の正常な肌とほぼ同じでした。細胞は残っていても、色素をうまくつくれない状態と考えられています。ただしシンガポールの1人では細胞の数そのものが減っており、傷み方には個人差がある可能性があります。
白い点が報告された回数と間隔
白い点が報告された回数と間隔
何回目から出るという決まった数字はありません。肝斑のトーニング研究42件をまとめた2022年のレビューでも、白い点がどのくらいの頻度で出るかはわかっていないとされ、出なかったという研究のほうが多くなっています。ただし、東アジアの肝斑の患者さんで10%前後に出たという報告もあります。
白い点が報告された回数と間隔
肝斑でトーニングを受けた177人のうち21人(11.9%)は、10回以内に白い点が出ています。エジプトで30人の顔の片側だけに2週ごと9回トーニングを行ったときは、4人(13%)に出ました。高めの出力、短い間隔、多すぎる総回数がリスク要因とされ、肌の色が濃い方ほど多く見られています。
シンガポールの医師は、トーニングを2週に1回より多く受けないこと、総回数にも上限を設けることを提案しています。ピコレーザーも例外ではなく、4~12週ごとに受けた796人のうち3人(0.38%)に白い点が出たという記録があります。
白い点に気づいたら:中止と回復の目安
白い点に気づいたら:中止と回復の目安
白い点に気づいたら、トーニングはすぐにお控えください。続けた方では点の数と大きさが増えており、レビューも白い点が出たらできるだけ早く中止するようまとめています。
中止した後の回復は、報告によって数字が異なります。2~3年以上残り、2年経過を見ても自然に良くなったのは10%未満だったという報告があります。別の医師は、経験から2年で半分、3~4年で80%が良くなると推定しています。どちらも統計的な分析を経た数字ではないため、ご自身の回復期間を約束するものではありません。
治療は、白い点と周りの肝斑との色の差を小さくすることを目指します。
- 塗り薬:シンガポールの1人は白い点にタクロリムス軟膏、周りの肝斑に美白クリームを分けて塗り、日焼け止めも使って2年後に目に見えて改善しました。同じ軟膏を使ったほかの2人は、ほとんど変化がありませんでした。
- ナローバンドUVB(紫外線療法):メラノサイトがもう一度色素をつくるよう働きかける方法で、ある程度の効果を得たという報告があります。
- 308nmエキシマレーザー:1例では週2回を7か月続け、色がすべて戻りました。ただしこれは1064nmのトーニングではなく、首のあざに532nmのレーザーを当てた後の白い点でした。
タクロリムス:ステロイドではない、免疫の働きを整える塗り薬です。尋常性白斑などの色素の病気にも使われます。
様子を見る間に再受診したほうがよい変化
様子を見る間に再受診したほうがよい変化
トーニングを止めた後は、同じ明るさで写真を撮り、白い点の数と大きさが変わらないかを見ていきましょう。次のような変化があるときは、トーニング後の色素減少斑だけではない可能性があるため、次の予約を待たずに受診してください。
- トーニングを止めて数か月たっても、白い点が増えたり大きくなったりしています。
- 手の甲・腕・口元・目の周りなど、トーニングを受けていない場所にも白い斑が出ています。
- 白い斑のふちが赤く盛り上がったり、かゆくなったりしています。
- 白い部分の眉毛やまつ毛が白くなっています。
これらは尋常性白斑で見られる変化と重なるため、顔以外の肌や毛も一緒に診てもらう必要があります。
ソウルでの日程の組み方と相談前のメモ
白い点の確認や治療のためにソウルへ来る場合、鎮静麻酔を受けた日を除けば、飛行機に乗ること自体は治療を延ばす理由になりません。1回の来院で起こる変化は、一度に大きく変わるより少しずつ近づいていくものが多くなります。上のエキシマレーザーのように白い点の治療は数か月続くことが多く、1回の来院で全体の治療の代わりにはなりません。帰国後に気になることがあれば、LINEで写真を送ってご相談いただけます。白い斑が短い間に新しい場所へ広がるときは、返信を待たずにまず現地の医療機関を受診してください。
紹介した治療は自由診療(保険適用外)で、費用は範囲や回数により異なります。ご相談の前に、トーニングを始めた月、ふだんの間隔、これまでの総回数、白い点に初めて気づいた時期の4つをメモしておくと、リスク要因と照らし合わせやすくなります。白い点が出始めたころの写真があれば、今の写真と同じ明るさで比べてみましょう。明洞のロッテホテルソウル内、乙支路入口駅近くにある STON Clinic にLINEでお問い合わせの際は、この4つと、頬とあごを正面・横から撮った写真を添えてください。
読んで気になることがあれば
相談を書く参考文献
- 頻回のトーニング後に顔に白い点が出た3人の報告 — Ann Dermatol, 2015 — PubMed Central
- トーニング後の白い点のメラニンとメラノサイトを調べた報告 — Ann Dermatol, 2015 — PubMed Central
- 肝斑のトーニング研究42件の効果と副作用のレビュー — Medicina, 2022 — PubMed Central
- 2週ごと9回のトーニングと白い点を見た30人の比較研究 — Lasers Surg Med, 2021 — PubMed Central
- ピコレーザーで肝斑を治療した後の白い点の症例集 — Lasers Surg Med, 2025 — PubMed Central
- レーザー後の白い点を308nmエキシマレーザーで治療した症例 — Ann Dermatol, 2017 — PubMed Central
- 年齢とともに出る小さな白い点、特発性滴状色素減少症 — DermNet — DermNet NZ
- 尋常性白斑の見た目・出やすい場所・診断 — DermNet — DermNet NZ
よくあるご質問
Q. ピコトーニングに変えれば白い点は出ませんか?
A. ピコレーザーのトーニングでも、まれに白い点が出ます。オーストラリアのあるクリニックの記録では、肝斑でピコレーザーを受けた796人のうち3人(0.38%)に出ており、低い出力で4~12週の間隔でも起きています。この3人は6か月後も色が十分に戻っていませんでした。
Q. 白い点が出た後、肝斑の治療はどう続けますか?
A. 白い点が出た後の肝斑は、レーザーの代わりに塗り薬で管理したという報告があります。シンガポールの例では、白い点にタクロリムス軟膏、周りの肝斑に美白クリームを分けて塗り、2つの色の差を小さくしました。日焼け止めも一緒に使っています。
Q. トーニングを止めると肝斑がまた濃くなりませんか?
A. トーニングを止めた後に肝斑が濃くなることはあります。トーニング研究をまとめたレビューでも、治療を終えて3か月ほどで肝斑が悪化・再発したという報告がありました。止めている間は、日焼け止めと美白の塗り薬で肝斑を管理する方法を医師とご相談ください。
Q. 肌の色が濃いと、トーニング後の白い点は出やすいですか?
A. はい、肌の色が濃い方ほど、トーニング後の白い点やリバウンドのしみが多かったとするレビューがあります。スキンタイプIV・V型のように日焼けしやすく赤くなりにくい肌が当てはまります。始める前に、ご自身のスキンタイプと出力・間隔の計画を確認しておきましょう。
Q. トーニング後の白い点が尋常性白斑に変わることはありますか?
A. トーニング後の白い点と尋常性白斑は、これまで別の状態として報告されてきました。シンガポールの3人にも尋常性白斑の既往はありません。ただ尋常性白斑は刺激を受けた肌に新しく出ることがあるため、顔以外にも白い斑が出たら、尋常性白斑かどうかも一緒に確認してください。
Q. 白い点のところにも日焼け止めは必要ですか?
A. 白い点のところにも日焼け止めを塗ることをおすすめします。この部分には日光を防ぐメラニンがほとんどなく、周りの肌だけが日焼けすると色の差がさらに目立ちます。シンガポールで改善した方も、塗り薬と日焼け止めを2年間一緒に使っていました。
Q. エキシマレーザーは何回くらい必要ですか?
A. エキシマレーザーに決まった回数はありません。レーザー後の白い点を308nmエキシマレーザーで治療した1例では、週2回を7か月続けて色がすべて戻りました。ただし患者さん1人の報告で、1064nmのトーニングではなく532nmのレーザー後に首に出た白い点でした。
Q. トーニング中に白い点に早く気づくにはどうすればよいですか?
A. 施術を始める前と数回ごとに、同じ明るさで顔の写真を撮っておくと、頬やあごの小さな白い点が増えていないか比べやすくなります。シンガポールの例では、1人が始めて2~3か月目に初めて白い点に気づいています。気づいたら、次の施術の前にお伝えください。
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キム・ジャンジュ 首席院長
JANGJU KIM
キム・ジャンジュ医師は、明洞ロッテホテルのストーンクリニックの院長です。
経歴・学歴
- 현) 스톤클리닉 명동 롯데호텔 원장
- 경희대학교 의과대학 졸업
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